研究会

2016年度の研究会

  1. フランス歌曲伴奏法講座(第78回)
    日時:2016年12月4日(日)14:00〜16:00

    講師:井上二葉
    会場:サロン・ド・サングリエ
    • フォーレ〈グリーン〉op.58-3 / ドビュッシー〈グリーン〉
      井熊康子(ピアノ) 駒井ゆり子(ソプラノ)
    • フォーレ〈白い月が森に輝く〉『優しい歌』op.61より / 〈ひそやかに〉op.58-2
      小澤由理(ピアノ) 桑山純恵(ソプラノ) 

    日本にフランス歌曲を広めた名ソプラノ歌手、古沢淑子氏の薫陶を受け、数多くのステージを共にされたピアニスト、井上二葉氏(エリザベト音楽大学名誉教授)の公開レッスン。
    今回は、ヴェルレーヌの詩による歌曲をテーマとして、その貴重なご経験に根ざした伴奏の極意を、たっぷりと披露していただきました。
    歌曲のピアノに焦点をあてた公開レッスンは初めての試みでしたが、数々の指摘や伝授される秘伝には、思いもよらない工夫も多く、歌曲の伴奏を手がけているピアニストや歌手だけでなく、一般の聴き手に至るまで、大好評でした

  2. フォーレとプルースト(第79回)
    日時:2017年4月16日(日)14:00〜16:00
    講師:高遠弘美
    会場:サロン・ド・サングリエ

    〜ミニコンサート〜
    フォーレ「バラード」op.19
    演奏:堀江真理子(ピアノ)

    〜〜 講師からのメッセージ 〜〜
    作品中のヴァントゥイユという架空の作曲家の創造にはフォーレが重要な役割を占めています。
    今回は、プルーストとフォーレの関係についてお話ししたいと思います。


    マルセル・プルースト(1871−1922)の「失われた時を求めて」の新訳を刊行中(光文社古典新訳文庫
    の高遠氏を講師にお迎えしましました。
    プルーストがいかに音楽に深い関心を寄せていたか、そしてフォーレを敬愛していたか、書簡や伝記に顕れた記述にも触れながら、「失われた時を求めて」に見られる音楽関係の言及について、お話しいただきました。
    講演後のミニコンサートでは、会員の堀江真理子氏により、「失われた時を求めて」に関連の深いフォーレの楽曲のなかから、「バラード」op.19が演奏されました。おそらく満場の聴講者のうち多くの方が、サロンの雰囲気を想像しながら耳を傾けたことでしょう。

2015年度の研究会

  1. 芸術照応の魅惑−近代パリにおける文学、美術、音楽の交差(第74回、75回に相当)
    日時:2015年11月7日(土)〜8日(日)
    会場:日仏会館
    日仏会館、日仏会館フランス事務所主催の国際シンポジウム(日本フランス語フランス文学会、日仏美術学会、日本フォーレ協会共催)

  2. ガブリエル・フォーレ作品全集校訂版の理念、展望と問題点について(第76回)
    2015年11月9日(月)19:00〜
    講師:ニコラ・スートン氏

    講師が来日不能となり、中止となりました。

  3. 知られざるフォーレの劇音楽「幸せのヴェール」について(第77回)
    日時:2016年6月26日(日)14:00〜16:00
    講師:マチュー・セゲラ
    通訳:岡本和子
    会場:サロン・ド・サングリエ

    歴史家で
    東京国際フランス学園で歴史・地理を講じるかたわら、パリ政治学院での博士論文『ジョルジュ・クレマンソーと極東』(2011)が高く評価され、2012年、渋沢・クローデル賞を受賞された、セゲラ氏を迎えての講演。
    クレマンソーの劇作品のために作曲されたフォーレの劇音楽「幸せのヴェール」について詳しいお話をうかがいました。残された楽譜から再現された貴重な録音が、恐らく日本で初めて披露され、フォーレには珍しい東洋趣味的な作品を知る機会となりました。

    〜〜 講師からのメッセージ 〜〜

En 1901, le célèbre homme politique français Georges Clemenceau écrit une pièce de théâtre " Le voile du bonheur " dont l'action se passe en Chine. Il demande  Gabriel Fauré d'écrire un accompagnement musical qui est, dans l'oeuvre du compositeur, une production assez originale et qui interroge. Nous verrons l'histoire de cette collaboration Fauré-Clemenceau dans le contexte du Japonisme et des relations entre les artistes et les hommes politiques de la Belle-Epoque."

1901年に、著名な政治家ジョルジュ・クレマンソーは、中国を舞台にした演劇作品“幸せのヴェール”を書きました。彼はガブリエル・フォーレに、その劇音楽を依頼しました。それは作曲家の作品としてはとても稀で、謎めいた音楽でした。われわれは、ベルエポック時代の日本趣味、そして芸術家と政治家の関係の文脈の中で、このフォーレ ー クレマンソーの共同作業の物語を目の当たりにすることでしょう。



2014年度の研究会

  1. グレゴリオ聖歌とフランス音楽(第71回)
    日時:2015年2月1日(日)14:00〜16:00
    講師:金澤正剛
    会場:東京藝術大学音楽学部5-401教室

    第27回演奏会関連企画。キリスト教音楽研究の第一人者・金澤正剛氏をお迎えし、カトリック教会の典礼で長く歌われてきたグレゴリオ聖歌とフランス音楽の関連にスポットライトを当ててお話していただきました。実例をCDで聴き、グレゴリオ聖歌を実際に参加者全員で歌って、旋法の歴史的変遷、さまざまな作曲家による扱い方の違いなどについて理解を深めることのできる貴重な機会となりました。

  2. ジャン=クロード・ペヌティエ氏公開レッスン/ミニ・コンサート(第72回)
    日時:2015年5月9日(日)13:30〜16:00
    通訳:藤本優子 
    会場:東京藝術大学音楽学部第2ホール

    〈公開レッスン〉

    • フォーレ《夜想曲第2番》op.33-2
      ピアノ:三輪昌代
    • フォーレ《夜想曲 第5番》op.37
      ピアノ:上杉奈央子 

    〈ミニ・コンサート〉

    夜想曲第10番op.99
    夜想曲第4番op.36


    室内楽、作曲、指揮など、多才な分野で活躍するピアニスト、ペヌティエ氏による公開レッスン。氏は、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンで来日を重ね、またフォーレのピアノ曲全曲のCDをリリースするなど、フォーレの専門家として高く評価されています。

    当協会会員の中から希望者を募って選ばれたお二人のピアニストに、言葉を尽くした含蓄のあるレッスンを
    していただきました。
    教授のモードから演奏家のモードへ
    転換はは難しい、とのことで、いかに集中して音楽に対峙しておられるかがよくわかるお言葉でしたが、ミニ・コンサートも快くお受けいただき、間近にペヌティエ氏の演奏に接することができました。

  3. ラモーと19世紀フランスの作曲家たち(第73回)
    日時:2015年9月27日(日)14:00〜16:00
    講師:安川智子 
    会場:東京藝術大学音楽学部5-401教室

    〜〜 講師からのメッセージ 〜〜 ジャン=フィリップ・ラモー(1683〜1764)は、『和声論』(1722)や数々のオペラ、クラヴサン曲など多方面で影響を与えた18世紀フランスの作曲家です。
    フォーレの師であり友人でもあるカミーユ・サン=サーンス(1835〜1921)は、19世紀において、ラモーの音楽を再評価する動きを先導しました。
    1895年から刊行が始まった『ラモー全集』(サン=サーンス監修)の編集には、途中からドビュッシー、ポール・デュカらも加わり、そこからラモーに関連するピアノ作品も生まれています。
    彼らはラモーの音楽にどう向かい合い、何を受け継いだのでしょうか。資料や楽譜から辿ります。


2013年度の研究会

  1. ジェラール・プーレ氏公開レッスンとミニ・コンサート(第68回)
    日時:2014年1月26日(日)13:30〜16:00
    会場:サロン・ド・サングリエ

    〈公開レッスン〉 13:30より(通訳:野平多美)

〈ミニ・コンサート〉 15:30より
ヴァイオリン:ジェラール・プーレ  ピアノ:川島余里
曲目 ラヴェル《ヴァイオリン・ソナタ ト調》
   フォーレ《ロマンス》

当協会名誉会員のジェラール・プーレ氏を迎え、待望の、フォーレのヴァイオリン・ソナタの公開レッスンを開催しました。
また、後半のコンサートでは、アンコールとしてドビュッシーのヴァイオリン・ソナタを全曲弾いていただき、贅沢な会となりました。
会場には、プーレ氏所蔵のフォーレの書簡2通とフランクの書簡1通(ガストン・プーレ宛)が展示され、注目を集めました。

  1. フランス歌曲公開レッスン(第69回) 
    〜フォーレの歌曲を中心に〜
    講師:浜田理恵
    日時:2014年
    6月21日(土)14:00〜16:00
    会場:東京藝術大学第2ホール

オペラ歌手として国内外で高い評価を受けるとともに、フランス歌曲にも造詣の深いことで知られる浜田氏を講師に迎え、
発声やフランス語のディクションを中心に、フランス歌曲の歌い方を教えていただきました。
身体全体で豊かな響きを作り出すことも含めて充実したレッスンが繰り広げられ、
さまざまな極意が伝授されていくのを目の当たりにした2時間でした。

  1. 音楽の神話(第70回) 
    〜アポロンの竪琴とパーンの笛、そのフランス文学の変奏〜
    講師:篠田知和基
    日時:2014年
    9月6日(土)14:00〜16:00
    会場:アカデミー文京 学習室

ネルヴァルをはじめとするフランス文学、比較神話学をご専門とされる篠田知和基氏をお迎えし、音楽にフォーカスを絞って神話のお話をしていただきました。さまざまな絵画等の画像もまじえ、音楽と深いつながりをもつ神々の系譜、神話に登場する楽器などについて語られました。
ギリシャ神話全体を俯瞰的に見渡すという視点は、音楽作品の側から神話に接することの多い来場者にとっては新鮮なもので、壮大なギリシャ神話の世界を把握する助けになったという声も聞かれました。
以下は講演前に寄せられたメッセージです。

〜〜 講師からのメッセージ 〜〜 音楽のはじまりは神話のなかでどのように語られているか、「シンバルから飲み、太鼓から食べた」という神秘学の象徴はなにをあらわしているのか、「誘惑と禁忌」という主題で音楽の本質をギリシャ神話とフランス文学にさぐる。

篠田知和基(しのだ ちわき) 1943年生まれ。グルノーブルとパリでフランス文学をまなび、静岡、名古屋でネルヴァル詩などを講じた。1999年来比較神話学研究組織GRMCを主宰し、世界神話の象徴を研究する(「竜蛇神と機織姫」ほか)。又「日本の形」「らせんの文化史」などで、文化の形を考える。翻訳にサンド「フランス田園伝説集」ほか


2012年度の研究会

  1. フォーレ以降のパリ音楽院と、戦後のブーレーズ(第65回)

講師:野平一郎
演奏:佐久間由美子(フルート)、 野平一郎(ピアノ)
日時:2012年12月16日(日)13:30〜16:00
東京藝術大学 音楽学部 5-401講義室

曲目
 
フォーレ:初見課題曲、幻想曲Op79
 メシアン:黒つぐみ(クロウタドリ)
 ブーレーズ:フルートとピアノのためのソナチネ

講師は作曲家、ピアニスト、東京藝術大学作曲科教授、当協会会長
パリ音楽院の教育を背景にメシアンが現れ、またメシアンが核となってブーレーズらが生まれる、という大きな流れが語られました。新ウィーン楽派の影響を受けつつ更に変化をとげていく過程はまさに音楽史の主要部分であり、音列の扱いや複雑なリズムの構成等について具体例をひいて丁寧な解説が施された後、ぜいたくなミニコンサートで締めくくられました。
以下は講演前に寄せられたメッセージです。

〜〜 講師からのメッセージ 〜〜
フォーレが院長であった時代のパリ音楽院と、その後の音楽院。
その教育がメシアンを育てブーレーズを生むこととなる。
戦後のブーレーズを中心にフランス音楽史を概観する。
  1. マラルメの「もう一つの扇」(第66回)

講師:川本皓嗣
演奏:坂本知亜紀(ソプラノ)、實川飛鳥(ピアノ)
日時:2013年3月17日(日)14:00〜16:00
会場:東京藝術大学 音楽学部 5-401講義室

比較文学者で東京大学名誉教授の川本氏のレクチャー。マラルメの「もう一つの扇」についてお話しいただきました。
音韻やリズムの構成、内容の解釈など、演奏者にとっても鑑賞者にとっても大いに理解の助けになる内容でした。
この詩にドビュッシーが曲を付けた「扇」は、第25回演奏会で取り上げられています。

曲目
 ラヴェル  「聖女」/『マラルメの三つの詩』より「もろいガラスの壺の」
 ドビュッシー『マラルメの三つの詩』(i.ため息 ii.ささやかな願い iii.扇)

  1. 第67回 リカルド・ビーニェス、仏・西音楽文化の掛橋となった天才ピアニスト

講師:濱田滋郎
日時:2013年9月7日(土)14:00より
会場:東京藝術大学音楽学部5-401教室

音楽評論家で、スペイン文化研究で知られる濱田滋郎氏をお迎えし、
ビーニェスと当時のパリの楽壇について、伺いました。
貴重なCDも紹介され、スペイン出身の音楽家たちの活躍について知る機会となりました。
以下は講演前に寄せられたメッセージです。

〜〜講師から〜〜
リカルド・ビーニェス(1875-1943)は、ドビュッシー、ラヴェルをはじめ
主要なフランス作曲家の作品を数多く初演し、国際的に広めた名ピアニスト。
実はスペイン人だった彼の生涯や人となり、フォーレを含む音楽家たちとの
交遊録などについてお話しします。

また、折角の機会ですので、ビーニェスのみにこだわらず、
「ガブリエル・フォーレと“パリのスペイン人たち”」
についてのエピソードも「付録」として話させて頂きます。

中で二、三、ビーニェスの演奏をCDでお聴き頂こうと思います。

2011年度の研究会

  1. モラーヌ先生を偲ぶ会(第62回)

日時:2011年12月11日(日)14:00〜16:00
東京藝術大学 音楽学部 5-109講義室

2010年1月、フランスの名バリトン歌手、カミーユ・モラーヌ氏が逝去されました。
後進の育成にも大きな力を発揮され、門下から多くの優秀な声楽家が輩出しています。
当協会においては、名誉会員として活動を見守っていただきました。
第62回研究会では、来日時のリサイタルの映像、当たり役の「ペレアスとメリザンド」(ドビュッシー)のペレアス役の録音、その他の秘蔵録音・ヴィデオにより氏の偉業をたどりました。
後半は座談会で、氏の思い出やエピソードなどが語られました。
(座談会出席者:中村浩子、井上二葉、鎌田直純ほか)

  1. 聴衆の立場から1960年代はじめのパリの音楽空間− (第63回)
    講師:荒木昭太郎
    ピアノ:須関裕子
    演奏曲目:ドビュッシー「沈める寺」「月の光」「パスピエ」、ショパン「舟歌」
    日時:2012年3月18日(日)14:00〜16:00
    東京藝術大学 音楽学部 5-401講義室
  2. 東京大学名誉教授で、『ショパン』(ブールニケル著)の翻訳(音楽之友社、旧版1968、新版1994)や、著書『ショパン:瑠璃色のまなざし』(春秋社、2004)などがあり、音楽に造詣の深い仏文学者として知られる荒木昭太郎氏を講師に迎えました。まず留学された頃の音楽体験・印象が、講師所蔵のプログラムの紹介とともに鮮やかに語られました。お話の中の重要な例として登場する曲の演奏を挟んで後半は、聴衆と作曲・演奏者の立場の比較分析、真摯な聴衆の立場から感動表現された例へと続き、「うた」にこもる感動が創作者から聴衆まで次々とバトンタッチされ、ひいては未来の生命の平和な共存につながってほしいという強い希望で結ばれました。

  3. 19世紀パリ万博とフランスの作曲家(第64回)
    講師:井上さつき
    演奏:宮地里実(Sop)、中村玲子(pf)
    演奏曲目:ビゼー「平和への賛歌」、マスネ「平和への賛歌」、フォーレの歌曲(「秘密」op.23-3、「ひそやかに」op.58-2)
    日時:2012年6月17日(日)14:00〜16:00
    東京藝術大学 音楽学部 5-401講義室

『パリ万博音楽案内』(1998)、『音楽を展示する―パリ万博1855-1900』(2009)の著者で、愛知県立芸術大学教授の井上さつき氏をお招きし、19世紀後半にパリで次々と行われた万博で、フォーレを含むフランスの作曲家たちが何をみて、どう関わったかなどを中心にお話していただきました。1867年万博の賛歌コンクールに出品され、その後顧みられることのなかったビゼー「平和への賛歌」、マスネ「平和への賛歌」という珍しい作品が演奏されたほか、1900年万博のコンサートで演奏されたフォーレの歌曲が演奏されました。


2010年度の研究会

  1. ワーグナーとフランス近代歌曲 〜もろもろの香り、色、音はたがいに応え合う*〜(第59回)
    *ボードレール「悪の華」第4篇第2節(阿部良雄訳)
    講師:末吉保雄
    演奏:荒木聡子、石井恵子(Sop)相川陽子、末吉保雄(pf)
    日時:2011年2月27日(日)14:00〜16:00
    サロン・ド・サングリエ
    演奏:
     ワーグナー:楽劇「ヴァルキューレ」より第3幕第3場 ブリュンヒルデの独唱最終部分 / 荒木聡子、相川陽子
     デュパルク:恍惚 / 荒木聡子、相川陽子
     ドビュッシー:恋人たちの死(『ボードレールの五つの歌曲』より) / 石井恵子、末吉保雄
     フォーレ:夕べ / 石井恵子、末吉保雄
     フォーレ:不滅の香り / 鎌田直純、末吉保雄

    以下は講演前に講師から寄せられたメッセージです。
    〜〜 講師からのメッセージ 〜〜
    デュパルク、ドビュッシー、フォーレの歌曲のなかには、ワーグナーに感化、啓発されつつ、それによって、それぞれの表現を強化した例があります。受けた影響から脱することで彼らの個性化がはたされたと見るだけでなく、なお、彼らに響き合う“ワーグナーの時代”の共鳴を聞きとどけたいと思います。
  2. マネと音楽(第60回)
    講師:三浦 篤
    ピアノ演奏:野平一郎
    日時:2011年6月25日(土)14:00〜16:30
    会場:東京藝術大学 音楽学部 5-109講義室

    以下は講演前に講師から寄せられたメッセージです。

    ~~ 講師からのメッセージ〜〜
    マネがピアノ教師を妻とし、作曲家や音楽愛好家を友としたという事実はあまり知られていません。しかし、その絵を見ても、ピアノを弾く妻やシャブリエの肖像はもとより、年老いたヴァイオリン弾き、公園のコンサート、音楽のレッスン、流しの女歌手、スペインのギター弾きなど、マネの音楽好きは明らか。しかもそこには、単に主題やモチーフとしての音楽だけでなく、絵画と音楽との共鳴すらうかがえるのではないか、私はそう感じています。19世紀後半のフランスにおける芸術の在り方にも触れつつ、マネと音楽との魅力的な関わりについてお話しできればと願っています。

    演奏曲目
    シャブリエ 10の絵画的小品より 第6曲「牧歌」、第7曲「村の踊り」
    ワーグナー 「タンホイザー」序曲
    オッフェンバック 「地獄のオルフェ」より第2幕のグラン・フィナーレ Act II 16 Grand Final(部分)
    第4幕のムニュエとギャロップ・アンフェルナル Act IV 28 Menuet et Galop infernal(部分)

  3. フランスオペラと映像
    〜ドビュッシー《ペレアスとメリザンド》の実例録画を交えて〜
     (第61回)
    講師:田尾下 哲
    日時:2011年9月11日(日)14:00〜16:00
    会場:東京藝術大学 音楽学部 5-401講義室

    新日本フィルハーモニーのコンサート・オペラのシリーズのひとつとして、2010年5月、 第461回定期演奏会で上演された《ペレアスとメリザンド》は、コンピュータ・グラフィックを駆使した映像を用いた演出が評判となりました。
    この公演を手がけられた演出家をお迎えし、映像を交えてお話をうかがいました。CGという新しい技術を用いながらも、スコアとテキストを深く読み込み、オペラそのものの精神を損なわない形でイメージをふくらませていくプロセスを披露していただきました。


2009年度の研究会

  1. グレゴリオ聖歌研究に基づく、フォーレ歌曲への或るアプローチ(第56回)
    講師:上村京子氏
    演奏:根岸一郎氏(Bar)、伊藤明子氏(pf)
    2009年10月10日(土)15:00〜17:00
    サロン・ド・サングリエ

    会員の声楽家上村京子氏(上野学園大学名誉教授)によるレクチャー。グレゴリオ聖歌の唱法研究を踏まえて、フォーレの歌曲の歌い方を考察する内容で、演奏も交えて具体的に解説していただきました。
  2. 歌と詩:フォーレ全歌曲訳詞を終えて(第57回)
    講師:土屋良二氏
    2010年4月18日(日)14:00〜16:00
    サロン・ド・サングリエ

    当協会創立20周年記念フォーレ全歌曲連続演奏会にあたり、フォーレの全歌曲の詩の新訳をお願いしたフランス文学者、土屋良二氏にお話しいただきました。以下は講演前にいただいたメッセージです。
  3. 〜〜 講師からのメッセージ 〜〜
    フォーレが歌曲に取り上げた詩はロマン派から高踏派さらには象徴派へと時代によって変化してゆきます。フォーレの詩の嗜好、扱い方の特徴や、後期の連作歌曲集でのテーマの発展を通して、作曲家と詩の関係について、フォーレ全歌曲の訳詞に際して感じたこと、考えたことをお話ししたいと思います。
  4. 楽曲分析:オスティナートを用いたドビュッシーの二つの作品(第58回) 講師:小河原美子氏
    ピアノ演奏:高橋美奈氏
    2010年9月18日(土)18:00〜20:00

    サロン・ド・サングリエ
    講師は作曲理論をご専門とされ、国立音楽大学などで教鞭をとられる小河原美子氏(当協会会員)。ドビュッシーの〈雪の上の足跡〉(《前奏曲集第一巻》より)と弦楽四重奏曲第2楽章について、多様な和声づけを詳細な分析で明らかに示していただきました。 高橋美奈氏(当協会会員)によるピアノ演奏もあり(「雪の上の足跡」「亜麻色の髪の乙女」)、耳からも変化を知ることができました。以下は講演前に講師から寄せられたメッセージです。

    〜〜 講師からのメッセージ 〜〜
    ドビュッシー30歳の時に作曲された弦楽四重奏曲、その第2楽章は軽快なスケルツォ。それから15年以上も経て作曲された「雪の上の足跡」イアンブスのリズムは雪の上に残された重い足取りを想起させる。この全く対照的な2曲においてドビュッシーはオスティナートを用い、その和声、音色、音響をさまざまに変化させていった。この2曲の分析を通してドビュッシーの作曲語法の一端を垣間見てみたい。


2008年度の研究会

創立20周年記念 特別セミナー
フォーレのレクイエム・歌曲

2009530日(土)13:00〜18:00
2009531日(日)11:00〜18:30
東京藝術大学音楽学部大講義室5-109

フォーレ初心者からフォーレをよりよく歌いたいと願っていらっしゃるプロフェッショナルまで幅広い方々のための、
ヴォーカル中心の講座。

■プログラム詳細■

第1日 5月30日 フォーレのレクイエム

13:00〜14:00 楽曲分析 / 野平多美
*構造・和声などの分析をもとに探る、レクイエムの魅力。

14:10〜15:10 座談会“レクイエムの演奏、日本での受容について”
             / 三林輝夫、清水雅彦、末永理恵子、野平多美
               コーディネーター:松橋麻利

15:30〜16:30 ポイントレッスン / 三林輝夫
*発声や解釈など、さまざまな角度からの、レクイエム演奏のアドバイス。

17:00〜18:00 レクイエム全曲演奏 / 指揮:三林輝夫
              ヴァイオリン:小林美恵、ハープ:岩城晶子、ピアノ:相川陽子
*参加者全員でレクイエムを合唱。

*使用楽譜等について
当協会では、1999年にジャン・フルネ指揮「レクイエム/小ミサ曲」CDを制作いたしました。
その録音は、フルネ氏のご希望で、1893年の初版(ネクトゥー/ドゥラージュ版)の楽譜による演奏でした。
それを受けて、楽曲分析など、そして全員合唱では、基本的にはこの1893年版を用いました。

第2日 5月31日 フォーレの歌曲

11:00〜12:15 歌手の視点 / 鎌田直純
*歌曲の魅力。分析者の視点もまじえて。
              話:大江千佳子、歌:石井恵子、ピアノ:伊藤明子
曲目:「リディア」op.4-2、「ひそやかに」op.58-2(『5つのヴェネチアの歌』より)

13:15〜14:00 フォーレの生涯 / 金原礼子、末永理恵子
*映像を見ながらたどる、フォーレの生涯とゆかりの地。

14:15〜15:30 ピアニストの視点 / 井上二葉
*歌曲演奏について。共演者の立場からのアドバイス。
曲目:「月の光」op.46-2、「冬は終わった」op.61-9(『優しい歌』より)「夕べ」op.83-2

15:45〜17:15 ポイントレッスン* / 後藤寿子、三林輝夫
*歌曲のよりよい演奏を目指す公開レッスン。
                 
歌:小山瑠美子、中村明博  ピアノ:徳田敏子、小泉亜希子
曲目:「マンドリン」op.58-1「やるせない夢見心地」op.58-5(『5つのヴェネチアの歌』より).. 小山
   「蝶と花」op.1-1、「不滅の香り」op.76-1....中村
(時間の都合で、予定されていた「ネル」op.18-1は割愛)

17:30〜18:30 座談会“日本フォーレ協会創立20周年記念、全歌曲連続演奏会に向けて”
            / 三林輝夫、後藤寿子*、井上二葉、鎌田直純、土屋良二*、野平多美
               コーディネーター:末吉保雄
*7月から始まる連続演奏会のために歌詞の全訳を手がけられた土屋良二氏をゲストにお迎えし、専門の異なるパネリストそれぞれの視点から、歌曲の魅力と奥深さについて語っていただきました。
*当初のお知らせから、出演者が変更になりました。


2007年度の研究会

  1. パリ音楽院 −フォーレ院長時代とその前後(第52回)
    講師:ローラン・テシュネ氏
    通訳:関根敏子氏
    2008年1月20日(日)14:00〜16:00
    会場:サロン・ド・サングリエ

    パリ音楽院ご出身で現在東京芸術大学准教授のテシュネ氏による、音楽院創立時から現在に至るまでの歴史を辿る講演でした。音楽教育の役割を担っていた既存の機関との性格の違い、政治情勢との関連、歴代院長の業績、フォーレの院長時代に行われた改革など、興味深いお話でした。
    以下は、講演の前にいただいた
    講師からのメッセージです。

    «Gabriel Fauré fut nommé, en 1905, directeur du Conservatoire de Paris,
    à la surprise générale: il n'était ni issu de l'Etablissement ni couronne du rituel Prix de Rome.
    Le directeur du Conservatoire dispose alors d'un large pouvoir:
    place sous la tutelle politique des Beaux-Arts il règle tous les travaux et préside tous les comités
    dans lesquels sa voix est prépondéerante.
    Dès sa nomination, Fauré enclenche des Réformes importantes,
    tant du point de vue du "remodelage des classes" que de "L'enseignement du Chant"
    que de la politique de "Nomination des Professeurs",
    réformes qui lui amèneront des soutiens mais aussi des conflits et inimitiés.

    Je compte donc tracer, durant cette conférence du 20 janvier 2008,
    cette période importante pour le Conservatoire, pour la vie musicale en France et les incidences
    que son action aura sur son parcours de compositeur,
    enfin sur ses intentions pédagogiques vraies et tournées vers le futur.
    »
    (texte: Laurent Teycheney)
  2. 現代《音楽哲学》の展開をめぐって
    −ジャンケレヴィッチとその後−
    (第53回)
    講師:合田正人氏(明治大学教授)
    2008年5月31日(土) 18:00〜20:00

    会場:サロン・ド・サングリエ

    フォーレ、ドビュッシー、ラヴェルら19世紀から20世紀初頭の作曲家についての著作も多い、フランスの哲学者、ジャンケレヴィッチを中心に、大いに語っていただきました。
    ジャンケレヴィッチの研究で有名な、フランス哲学研究者の合田正人氏(明治大学教授)によるレクチャーでした。哲学史におけるジャンケレヴィッチの位置づけなど、彼の音楽論だけを読んでいたのではわからない部分に光があてられ、ジャンケレヴィッチの思想を理解する助けとなりました。
  3. ドビュッシーのピアノ曲について(第54回)
    講師:松橋麻利氏
    ピアノ演奏:江端津也子氏

    2008年9月21日(日)14:00〜16:00

    会員の松橋麻利氏は、詳細な調査にもとづいて、ドビュッシーの評伝を書き下ろされました。2007年に音楽之友社「作曲家 人と作品シリーズ」のうちの一冊として刊行されています。本研究会では、ドビュッシーとピアノの関わりから説き起こされ、ピアノ作品の分析、美学的考察を通して、ドビュッシーの本質に迫って行かれました。

2006年度の研究会

  1. フォーレとその周辺を調べるためのレファレンス、あるいはガイダンス(第49回)
    講師:藤堂雍子氏
    2006年12月2日(土)18:00〜20:00
    会場:日仏会館 501室
    音楽書誌学ご専門の講師を迎え、フォーレや周辺の音楽に関する調査方法、主要文献などを、歴史的に重要なものから最新情報に至るまで、紹介していただきました。フランス国立図書館のサイトに実際にアクセスしたり、文献の実物を見せていただいたりと具体的な内容で、研究の助けになる講演でした。
  2. フォーレの音楽を伝えた場ー国民音楽協会(1871-1939)とその後のパリの演奏協会(〜1939)(第50回)
    講師:田崎直美氏
    演奏:神谷明美氏
    (ソプラノ)、田崎直美氏(ピアノ)

    2007年4月1日(日)14:00〜16:00
    会場:サロン・ド・サングリエ
    プーランクやその周辺をご専門として研究活動を展開しておられる、会員の田崎直美氏(お茶の水女子大学)に、国民音楽協会とその後の協会(独立音楽協会、セレナード協会、トリトン協会)について、各々の特徴、関係者、各協会の活動の歴史的意義をお話していただきました。後半は神谷明美氏のソプラノ、田崎氏のピアノと解説で、各協会のメルクマール的初演作品として下記の作品が演奏されました。
    フォーレ:「リディア」「ひとりぼっち」(国民音楽協会、1872初演)/ラヴェル:『マラルメの詩による三つの歌曲』より「はかない願い」(独立音楽協会、1914初演)/プーランク『ルイーズ・ラランヌの詩による三つの歌曲』(セレナード協会、1932初演)/メシアン『大地と空の歌』より「復活」(トリトン協会、1939初演)
  3. 娘と弟子たちが語る思い出の安川定男・加壽子先生ご夫妻(第51回)
    金沢千鶴子(ご長女)と井上二葉、高野耀子、山岡優子(ピアニスト、ABC順)の各氏をお迎えして
    2007年9月22日(土)18:00〜20:00

    会場:サロン・ド・サングリエ

2005年度の研究会

  1. 日本におけるフォーレ(第46回)
    講師:末永理恵子氏
    2005年12月4日(日)14:00〜16:00
    会場:サロン・ド・サングリエ
  2. ドビュッシー〈前奏曲集〉第1巻をめぐって(第47回)
    講師:青柳いづみこ氏
    2006年2月11日(祝/土)18:00〜20:00
    会場:サロン・ド・サングリエ
  3. ラヴェルの音楽語法 〜歌曲集〈博物誌〉を中心に〜(第48回)
    講師:野平多美氏
    200
    6年5月28日(日)14:00〜16:00
    会場:サロン・ド・サングリエ

2004年度の研究会

  1. フォーレのピアノ曲・解釈と分析(第44回)
    フォーレ没後80年・生誕160年記念特別セミナー II
    講師:藤井一興氏
    演奏:
    江端津也子(ノクチュルヌ第1、10番) 澤田真子(第2、8番)
    並木桂子(第3、7番) 淺田淳子(第4、11番) 藤井ゆり(第5、9番)
    河江優(第6、12番) 今井啓子(第13番)
    2004年11月27日(土)10:30〜16:00(開場10:00。休憩12:30〜14:00)
    会場:サロン・ド・サングリエ
    フォーレ没後80年・生誕160年を記念しての特別研究会第2弾はノクチュルヌ全13曲のレクチャーでした。詳細な解釈と分析のみならず、7名のピアニスト(当協会会員)による生演奏も聴ける、充実した一日となりました。
  2. 「ペレアスとメリザンド」初稿の意味:
    編曲者ケクランの関与とコンサート・ヴァージョンについて第45回)
    講師:小鍛冶邦隆氏
    日時:2005年6月5日(日)14:00〜16:00
    場所:サロン・ド・サングリエ

    まず、オーケストレーションは職人的な作業に近く、当時、弟子などにオーケストレーションを依頼することは珍しくなかった、ということに加えて、当時行われていたフランスの楽器法およびスコアの書き方がかなり複雑なものであったことも手伝って、フォーレにとってオーケストレーションは苦痛を伴うものであったことが容易に想像される、ということが、豊富な具体例とともに説明されました。そのような歴史的状況のなか、「ペレアスとメリザンド」初稿において、ケクランがいかに斬新なオーケストレーションにチャレンジし、それをフォーレが採用したか(しなかったか)、といったお話が続き、手稿譜を精密に検討された研究成果を披露していただきました。

2003年度の研究会

  1. マラルメの詩によるドビュッシーとラヴェルの歌曲比較分析(第42回)
    講師:末吉保雄氏
    演奏:
    ラヴェル  高井美知子(S)、淺田淳子(pf)
    ドビュッシー 奥田明美(S)、澤田真子(pf)
    2003年12月20日(土)
    14:00〜
    会場:サロン・ド・サングリエ
    ドビュッシーとラヴェルは、いずれも3篇のマラルメの詩に曲を付けていますが、そのうちの2つまでが同じ詩です。今回は、マラルメの詩による川本氏の講演に呼応する形で、ドビュッシーとラヴェルが「溜息」にどのように付曲したのか、作曲の側から分析を加えていただきました。ふたりの作曲家が、それぞれどのように詩を解釈してフレーズを作り、細部を磨いて曲に仕上げているのか、興味の尽きない比較分析でした。
  2. 「フォーレらしさの秘密」(第43回)
    フォーレ没後80年・生誕160年記念特別セミナーT

    講師:國越健司氏
    演奏:太田朋子(S)、根岸一郎(Bar) 、林達也(pf)

    2004年7月4日(日)11:00〜13:00、14:30〜16:30
    会場:スタインウェイサロン東京 松尾楽器Aスタジオ
    特別セミナーの第一弾として、午前・午後にわたるセミナーを開催。豊富な音の実例とともに、楽しく明快にフォーレの和声の秘密を解き明かしていただきました。前半は、フォーレの作品で重要な位置を占める教会旋法について、様々な作曲家の多くの実例−しかも生演奏の実例−を随所に織り込み、各旋法の色合いを身をもって感じることができるよう丁寧に解説していただきました。後半は、フォーレの3巻の《20曲集》(Vingt Mélodies) を中心に、フォーレらしさの秘密を探っていただきました。ヴァラエティに富んだ実例の演奏も目を見張るもので、内容の濃い一日となりました。

2002年度の研究会

  1. マラルメの「溜息」をよむ (第39回)
    講師:川本皓嗣氏
    演奏:森朱美 (Sop)、鈴木靖子 (pf)

    2002年12月8日(日)
    14:00〜
    会場:サロン・ド・サングリエ

    第37回研究会が好評で、ぜひアンコールを、という声が高かったので、再び川本氏にお願いしました。 ドビュッシーとラヴェルが《3つのマラルメの詩》で取り上げている「溜息Soupir」(上田敏による訳題は「嗟嘆」)について、詳しく分析していただきました。「聖女」より前の作品ですが、「長文一筆書き」で、詩の全文が一体となって意味をなす、というスタイルによった大事な例ということで、こういった作品の翻訳上の困難さも含めてのお話でした。フロアからも鋭い質問が飛び出し、充実した会となりました。

  2. 旋法とは何か〜教会旋法を中心に (第40回)
    講師:金澤正剛氏
    2003年3月29日(土)
    14:00〜
    会場:サロン・ド・サングリエ
    この回も、アンコール企画です(前回の金澤氏の講演は、当協会10周年の際のセミナーで、レクイエムに関するものでした) 。今回は旋法についてお話していただきました。フォーレは作品に教会旋法をしばしば用いているわけですが、そもそも旋法とはどういうものなのか、という根源的なお話をうかがうことができました。

  3. 絵の中の音楽――天上から地上へ第41回)
    講師:高階秀爾氏
    2003年6月29日(日) 14:00〜
    会場:日仏会館ホール
    中世・ルネッサンスから現代に至るまでの、音楽を描いた絵画が次々とスライドで映し出され、詳説されました。一口に「音楽を描いた絵画」と言っても、奏楽の天使たちや、アポロ、ヴィーナス、パンといった神々が登場するものからはじまり、サロンでピアノを弾く様子や作曲家・演奏家を描いたもの、さらにはキュビスムのような形で音楽そのものを描こうとするものにまで、絵の内容は変化していきます。「天上の音楽」であった音楽が、人間のものとなっていく過程が大変よくわかりました。


2001年度の研究会

  1. フォーレの時代からドビュッシーの時代へ (第36回)
    講師:野平一郎

    2001年10月8日(月・祝日) 14:00〜

    会場:サロン・ド・サングリエ
    作曲家・ピアニストとして活躍されている野平一郎氏。フォーレ「夜想曲第10番op.99」とドビュッシー「霧」(『前奏曲集第2集』より)がとりあげられました。ピアノで音を示しながらの明快な分析を通して、フォーレとドビュッシーが、その時代の音楽語法にどのように関わっていたかが説かれました。さらには後世への影響、21世紀への展望など、幅広い視野からのお話になりました。
  2. マラルメの「聖女」を読む(第37回)
    講師:川本皓嗣氏
    演奏:根岸一郎(Bar)、市川景之(pf)

    2002年2月3日(日)
     14:00〜
    会場:サロン・ド・サングリエ
    比較文学がご専門の川本皓嗣氏(東大名誉教授・帝塚山学院大学教授)をお迎えし、マラルメの「聖女」を分析していただきました。この詩にはラヴェルが作曲していますので、演奏をはさんで解説がすすめられました
    。マラルメの難解なテキストが、精緻な分析によって解きほぐされて行き、メモをとりながら熱心に聞き入る来場者が多く見られました。
  3. フォーレの歌曲について(第38回)
    講師:島岡譲氏
    2002年7月7日(日) 14:00〜
    会場:サロン・ド・サングリエ
    和声学の泰斗、島岡譲氏(国立音楽大学名誉教授)によるフォーレの歌曲の和声分析。声部様式に還元して解説され、フォーレが、調性・機能和声を根本的には崩さない中で、旋律、リズム、和声など様々な局面において揺れ、光と影、などを表現し、詩の雰囲気を巧みに演出していることが説かれました。取り上げられたのは下記の3曲です。
    ・夢の後に Op.7-1 ハ短調
    ・イスファハンのばら Op.39-4 ニ長調
    ・贈り物 Op.46-1 ヘ長調

2000年度の研究会

  1. フォーレ時代(1845-1924)の日本におけるフランス音楽の受容(第33回)
     講師:伊藤制子氏
     2000年10月14日(土) 14:00〜
     会場:サロン・ド・サングリエ
    フランスと日本の近・現代の音楽、美学を専門とされ、評論でも活躍中の音楽学者伊藤制子氏による講演。フォーレが生きた時代、日本では、フランス音楽がどのように受容されていたかを、社会的背景から考えていこうとするお話でした。
  2. 公開レッスン〜フォーレのピアノ曲から〜(第34回)
    講師:藤井一興

    2001年2月17日(土) 14:00〜

    会場:サロン・ド・サングリエ
    講師は、作曲家・ピアニストの藤井一興氏。春秋社より、フォーレのピアノ曲の校訂楽譜を出しておられます(「フォーレ全集」全5巻(世界音楽全集 ピアノ篇〈新校訂版〉)、美山良夫, 藤井一興[編集・校訂・運指])。講師自らの曲への深い理解のもとに、密度の濃い指導が展開され、フォーレらしい、ノーブルな演奏の秘密が明かされました。藤井氏は、曲目と受講者は、「バラード」(清水京子さん)、「ノクターン第2番」(倉沢華さん)。
  3. 20世紀初頭のジャポニズムの音楽〜日本詩歌からの影響〜(第35回)
    講師:鶴園紫磯子
    2001年7月1日(日) 14:00〜
    会場:サロン・ド・サングリエ
    ジャポニスム学会でも論文を発表されている、ピアニストの鶴園紫磯子氏の講演。日本の詩歌が1920年代までのヨーロッパにもたらした影響、つまり日本の詩歌が翻訳・紹介されたこと、日本の詩歌の精神に乗っ取った詩作について、そしてさらに、その音楽への影響といった、各段階の歴史が明らかにされました。

1999年度は以下の研究会を開催しました。

  1. マエストロ、音楽を語る (第31回)
    講師:ジャン・フルネ氏 インタヴューと通訳:井上二葉、野平多美
    2000年430日(日) 14:00〜
    会場:サロン・ド・サングリエ
    当協会の名誉会員、ジャン・フルネ氏をお招きしました。長い音楽生活のなかで実際に見聞きされたことや、フランス音楽についてのお考えなど、貴重なお話を伺うことができました。  
  2. アルマン・シルヴェストルの詩によるフォーレの歌曲について (第32回)
    講師:金原礼子
    演奏:木村賀洋子、土屋英子(Sop)、浅田淳子(pf)
    2000年7月8日(土) 14:00〜
    会場:サロン・ド・サングリエ
    フランス文学をご専門とされる傍ら声楽をおさめられた講師ならではの視点から、シルヴェストルの詩によるフォーレの歌曲が詳しく分析されました。著書に、『ガブリエル・フォーレと詩人たち』(1993)、『フォーレ ゆかりの地をたずねて』(1997)などがあります。

 
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